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特集 在宅精神医療—日常生活における指導と治療
Ⅰ.在宅精神障害者の動態(実態)とその処遇—何に困っているか,何ができるか,何をなすべきか
農村地域(群馬)における精神障害者の生活状況
Living Conditions of Psychiatric Patients in a Farm Village: A Report from Gumma Prefecture
国友 貞夫
1
,
伊勢田 成子
1
,
小川 一夫
2
,
小坂 喜一郎
2
,
宮 真人
2
Sadao Kunitomo
1
,
Naruko Iseda
1
,
Kazuo Ogawa
2
,
Kiichirō Kosaka
2
,
Masato Miya
2
1利根中央病院精神神経科
2群馬大学医学部精神神経学教室
1Dept. of Neuro-psychiatry, Tonechūō Hospital
2Dept. of Neuro-psychiatry, Gumma Univ. Med. School
pp.615-625
発行日 1976年6月15日
Published Date 1976/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405202496
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I.はじめに
この論文の目的は,農村地域における精神障害者の生活実態を明らかにすることにある。農村での精神障害者の集団としての推移,個々の精神障害者の処遇の変遷,現在の生活状況と問題点などの分析を通して「何に困っているか,何ができるか,何をなすべきか」について考察してみたい。
もちろん,農村と一言にいっても都市近郊,平野部,山間などと地域によりその実態は大きく異なっていると考えられる。
著者らが,この目的のために選んだ農村は群馬県利根郡白沢村という人口3,000人余の山村である。この村を選んだのは,第1に昭和40年以降、保健婦により,いわゆる「地域精神衛生活動」が展開され,精神障害者一人一人の動きが,点としてではなく流れとして把えられていること,第2には小村のため,保健婦による精神障害者把握は悉皆調査に匹敵すると考えたからである。
なお,ここで用いられる資料は日常活動の集積であり,必要な補足的調査は昭和50年11月に行なわれた。
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