動き
日本精神神経科診療所医会について
荻野 利之
1
Toshiyuki Ogino
1
1五和貴診療所
1Iwaki Mental Clinic
pp.209-213
発行日 1976年2月15日
Published Date 1976/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405202448
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略称「日精診」というこの精神神経科診療所医師の会は読者にはまだまあたらしいことと思います。一昨年,昭和49年12月15日についに生まれるべくして生まれ,50年6月22日に第2回総会を開催し,規約,役員,事務所その他基本的な決定をみたのです。
生まれるべくして生まれた,ということを考えてみますと,第1に私達は,精神科医療が医学の進歩とともに,地域医療の充実と疾病予防および精神衛生の方向に流れを定めてきたこと。第2に地域医療を担っている以上,地域医師会に入ったりして医療の網の中で,効率のよい予防,治療の実をあげねばなりませんが,他科に比し,まったく比較にならないほど,数が少なく,医師も含めて一般の認識が,精神神経科については話にならないくらい低いということ,異常と名づけてもよいほど,認識許りでなく関心が薄い,ということであります。このことからくる私達の孤独感でもありましょう。第3に,現行健保制度下では,充実した,あるいは当然な,医療を志向すればするほど,経営が特に経済的に不能である,ということ。第4に,第3に大変影響されることですが,卒後教育,研究→地域医療,福祉,衛生→研究,卒後教育→人間の心の指南役(地域的,地球的),人類の未来(科学的,政治的,経済的etc.)への関与→地域医療,福祉,教育=衛生→卒後教育,研究。こういったフィードバック的なサイクルを持ちたい。
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