特集 精神科診療所をめぐる諸問題
座談会
精神科診療所をめぐる諸問題
秋本 辰雄
1
,
荻野 利之
2
,
長坂 五朗
3
,
西尾 友三郎
4
,
原 洋二
5
,
松田 孝治
6
,
加藤 正明
7
1朝日クリニック
2五和貴診療所
3長坂クリニック
4昭和大学
5斉藤病院
6松田クリニック
7国立精神衛生研究所
pp.1108-1120
発行日 1982年10月15日
Published Date 1982/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405203486
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はじめに―「立津による質問」以後の現状
加藤(司会) 今日は,「精神科診療所をめぐる諸問題」ということで,お集まりいただいたわけですが,いまから13年前の昭和43年註)に,やはり同じテーマで座談会をやったことがあります。そこで立津先生から6つの問題が出されておりますが,この問題はいまでもやはり継続する問題だと思います。
この13年あまりの間に診療所の数もたいへん増え,新しい,いろいろな問題が出ていると思いますので,まず最初に長坂先生から全国の精神科診療所の現状をお話しいただきたいと思います。
長坂 昭和43年から現在までほぼ13年経っております。その間に日本の社会情勢,ひいては医療情勢もいろいろ変遷してきたことは皆さんご承知のとおりであります。
特に最近の医療情勢,医療関係のできごとはマスコミの一つの大きな興味の対象となって取り上げられます。
そういったきわめて流動的な,あるいは危機的な状況の中で,精神科医療というものも,その渦中の外にあるわけにはまいりません。
本日のテーマがたまたま同じでございますので,12,3年前の状況と今日までの社会情勢の変化の間にどれだけの変化があったか,現状は進歩したか,進歩したとすればどういう点が進歩しておるか,あるいはぜんぜん変っていないか,変っていないとしたらどういう点が変っていないか,そういったことを論じ合ってみたらどうか,そのように考えます。
今からおおよそ13年前の特集「精神科診療所をめぐる諸問題」において立津先生が6つのテーマを出しておられます。これを拠り所にして13年の間にどう変化したかを検討してみると論じやすいのではないかと考えます。
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