Japanese
English
展望
小児期の行動特徴の成人期における転機—問題行動の長期予後を中心として
Adult Outcome of Childhood Behaviour Characteristics: Remote Prognosis of Childhood Behaviour Problems
阿部 和彦
1
,
天富 美禰子
2
Kazuhiko Abe
1
,
Miyako Amatomi
2
1大阪市立大学医学部精神神経科
2大阪市立小児保健センター精神科
1Dept. of Psychiatry, Osaka City Univ. Medical School
2Dept. of Psychiatry, Osaka Children's Medical Centre
pp.224-235
発行日 1973年3月15日
Published Date 1973/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405201993
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I.まえがき
母親が子供の行動について精神科医や小児科医を訪れる場合,必ずしもその行動が本人または家族員に現在直接与える影響だけを考慮して来院するものではない。むしろ最近では,そう大した問題でもないと考えられることでも,平均から目立った行動特徴があれば,放置しておけば将来に困ったことが起きるのではないかと考えて受診する場合が増加したようである。これは家事の近代化により母親が育児に関して考える時間が多くなったことや,マスコミの影響などによるものであろうが,「治療より予防」と先を考える現代医学の傾向に通じ,好ましい態度とも考えられる。
このような母親の相談相手になるためには,さまざまな行動特徴ないし問題行動の自然経過や長期予後に関して調べておかねばなるまい——と考え,筆者らはこの方面の文献を集めていた。それをまとめたのがこの展望である(短期予後については3年前の展望41)で少しまとめている)。
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