Japanese
English
研究と報告
Haloperidol持続投与による精神分裂病者の予後調査
Investigation into the Prognosis of the Schizophrenics under the Continuous Administration of Haloperidol
板倉 三郎
1
Saburo Itakura
1
1板倉病院
1Itakura Hospital
pp.75-83
発行日 1973年1月15日
Published Date 1973/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405201978
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I.はじめに
精神分裂病の再発防止に関する向精神薬の評価は現在でもなおまちまちであるが,一般に基本的には長時間服薬の必要なことは認められてきているようである。しかし新しい精神分裂病治療薬が現われるたびに,数多くの治療経験が報告されているが,薬剤の種類および投与量による再発防止の可能性についてはほとんど報告されてない。
筆者は,昭和40年からhaloperidolを精神分裂病の入院治療および再発の防止に使用したが,このさい,従来のphenothiazine系薬剤の治療経験と比較して最も注目した点は,「病識改善の水準」が高い,あるいは「治癒水準」が高いという印象を受けたことである。このことはhaloperidolで病識を獲得した患者のすべてが,再発を恐れて種種な事情を克服しながら,自発的に通院服薬を続けていることからもうかがうことができる。この効果に期待をかけて昭和40年以後当院の入院および外来で取り扱った分裂病者の全員にhaloperidolを使用してきた。とくに寛解退院者では再発を充分に防止しうる維持量を決定する目的で,haloperidol 1.5mg,2.25mg,3.0mg,4.5mgの4群に分けて,毎月1回面接投薬しながら経過を連続的に観察してきた。
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