Japanese
English
研究と報告
精神分裂病者の結婚状態について
On the Marital Status of Schizophrenic Patients
田中 雄三
1
,
松島 嘉彦
1
,
譜久原 朝和
1
,
福間 悦夫
1
Yuzo Tanaka
1
,
Yoshihiko Matsushima
1
,
Tomokazu Fukuhara
1
,
Etsuo Fukuma
1
1鳥取大学医学部神経精神医学教室
1Dept. of Neuro-psychiatry, Tottori Univ. School of Med.
pp.1277-1286
発行日 1975年12月15日
Published Date 1975/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405202405
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I.はじめに
向精神薬療法の普及とともに,家庭生活を営みながら通院治療を受ける精神分裂病(以下分裂病と略す)患者の数が増加し,それらの患者から就職や結婚の相談をもちかけられることも決して少なくはない4)。とくに結婚は青壮年期にある患者とその家族にとって避けることのできない問題であることはいうまでもないが,他方配偶者と営む新しい結婚生活における患者の適応能力,女性であれば結婚後当然予想される妊娠,出産という健康上問題の起こりやすい心身状態への配慮,生まれてくる子どもへの遺伝の問題,さらにはその後の育児上の問題など,精神医学的にも総合的体系的な研究を要する課題である。
しかし,分裂病者の結婚については未だ文献にも乏しく,日常診療の上でも患者への助言指導に迷うことが多いのが現状である。著者らは分裂病者を対象にその結婚状態を調査し,この問題に関する手がかりを得ようとした。
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