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特集 精神分裂病の精神生理学
精神分裂病者の瞳孔反応
Pupillary Responses of Schizophrenics
生島 正弘
1
,
中尾 弘之
1
Masahiro Ikushima
1
,
Hiroyuki Nakao
1
1九州大学医学部神経精神医学教室
1Department of Neuropsychiatry, Faculty of Medicine, Kyushu University
pp.349-356
発行日 1977年4月15日
Published Date 1977/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405202601
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I.はじめに
精神分裂病者の瞳孔反応に関する研究の歴史は古いが,その多くは定性的なものであり,定量的なものは少なかった。定性的に,また定量的に本格的な研究がなされるようになったのは最近のことである。これらの研究で最も良く知られている瞳孔異常の一つは,緊張型の精神分裂病者に見いだされる"一過性の強直性瞳孔障害(Westphal)"18)である。最近Rubin11)は,精神分裂病者の光刺激や寒冷刺激に対する瞳孔反応が,正常者のそれと著しく異なったものであること,そして,それは交感神経と副交感神経相互作用の機能障害によって生じたものであろうということを報告した。その後Hakerem2)やLidsky7)らも,精神分裂病者群の対光反応は,正常者群のそれと比較して著しく小さく,そのことによって80%以上の確率で,精神分裂病者を正常者と区別することができたと報告している。ところで従来の種々の自律神経機能検査に比べ,電子走査型赤外線瞳孔計による自律神経機能検査には,被検者に無接触で,かつ短時間に,簡単に,動的な変化を記録できる長所があるので,著者らは,電子走査型赤外線瞳孔計を用いて以下のような研究を行なった。
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