Japanese
English
研究と報告
Chlorimipramine(Anafranil)の有効範囲と副作用について
The Range of Action and Tolerability of Chlorimipramine (Anafranil)
W. Pöldinger
1
,
A. Gehring
1
,
高橋 良
2
W. Pöldinger
1
,
A. Gehring
1
1バーゼル大学精神科
2長崎大学医学部神経精神科
1Die Psychiatrischen Universitatsklinik, Basel
pp.915-921
発行日 1969年11月15日
Published Date 1969/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405201539
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91例のうつ病患者に対してchlorimipramineによる治療を行なつた結果(その一部は二重盲検法によつて行なつたものであるが),chlorimipramineは真の抗うつ剤の名に値いするものであることが示された。気分高揚作用(mood-elevating effect)とはべつにchlorimipramineは患者により充奮や抑制をも軽減させる。作用範囲に関して,他の三環性抗うつ剤と比べると,だいたい臨床効果を裏書きすると思われる高い相関性が示された。
スイスの5つの精神科病院で行なわれた78名の患者についての実験結果は,chlorimipramineの静脈内点滴療法は副作用が少なく,また満足すべき効果が通常非常に早く現われることを示した。
自律神経系副作用の定量化によつてimipramineの非経口投与では,投与第1日目にみられる血圧低下作用が,chlorimipramineではみられないことを観察したが,このことはおそらくchlorimipramineの点滴投与が循環系の不安定な患者にも副作用なくもちいられることの説明となるであろう。
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