Japanese
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短報
Clomipramine(Anafranil)の抗うつ作用と治療効果について
The Clinical Effect of Clomipramine (Anafranil) as the Antidenressant
平井 富雄
1
,
矢部 徹
2
Tomio Hirai
1
,
Toru Yabe
2
1東京大学医学部附属病院分院神経科
2神経研究所
1Dept. of Neuro-Psychiat., Koishikawa Branchi Hospital, School of Med., University of Tokyo
2Neuro-Psychiatric Institute of Tokyo
pp.443
発行日 1970年5月15日
Published Date 1970/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405201619
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- Abstract 文献概要
Clomipramineの抗うつ作用は,すでにPoldinger, W.(1961)によって報告されている。その後,おもにヨーロッパ圏の精神医学者によって,内因うつ病をはじめ,うつ状態像を呈する精神障害などに対する治療効果が確認され,わが国でもその抗うつ作用の治療的意義について,臨床治験報告が公表されている。
本剤の特徴は,その臨床使用にさいし,点滴静注を行なう点にあるといえる。したがって,点滴静注の間にうつ病者の精神症状・自律神経機能および中枢神経機能の標示である脳波など,諸種の精神-身体機能の病態を,治療と並行させながら観察できる利点を有している。この意味では従来の治療法に比べ,はるかに科学的厳密さを持つ治療法になりうるとも考えられる。
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