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研究と報告
向精神薬療法中に使用したTrihexyphenidyl(Artane)による精神障害について—せん妄状態を呈した4例の観察
Mental Disturbance Induced by Trihexyphenidyl (Artane) during Treatment with Major Tranquilizers: on the Delirious States Observed in 4 Cases
井上 絹夫
1
,
藤井 省三
2
,
大熊 輝雄
2
Kinuo Inoue
1
,
Shozo Fujii
2
,
Teruo Okuma
2
1但馬病院
2鳥取大学医学部神経精神科
1Tajima Hospital
2Dept. of Neuropsychiat., School of Med., Tottori Univ.
pp.907-913
発行日 1969年11月15日
Published Date 1969/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405201538
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I.はじめに
Trihexyphenidyl(Artane以下THPと略記する)は,1949年に発見されて以来抗パーキンソン剤としてひろくもちいられており,最近では精神神経疾患の向精神薬療法のさいの副作用として起きるパーキンソン症状群に対しても使用されている。
THPの抗パーキンソニスム効果については,従来多くの報告があるが,THP自身の副作用,とくに精神障害については,振戦麻痺の症例に使用したさいに意識障害が発生した例がいくつか報告されている程度で3)4)5)7)9)10)12)15)16)17),最近精神疾患に対する向精神薬療法のさいの副作用として生ずるパーキンソン症状群に対してTHPがかなりしばしば使用されているにもかかわらず,向精神薬療法中のTHPの副作用についてはいまだに報告がないようである。
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