Japanese
English
研究と報告
退行機制により治癒した小児神経症の1例
Childneurosis Cured by Regression Mechanism: Case Report
奥村 晶子
1
Akiko Okumura
1
1北海道大学医学部精神神経科
1Dept. of Psych., Hokkaido Univ., School of Med.
pp.300-304
発行日 1968年4月15日
Published Date 1968/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405201318
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I.はじめに
ここに報告する症例はつぎのような特徴をもつ。つまり症状出現の機序および症状の形式が非常に単純で,母-子関係の葛藤,すなわち母性の欠如,母の排斥的態度,ないし無関心な冷たさが身体的欠陥のある幼い魂を傷つけ,身体症状を出現させたことが明白に認められ,しかも防衛機制として惹起された退行機構を利用して治癒しえた。この症例が,未熟な人格の反応様式および母性がもつ意味を理解するための一助にもなれば幸いと考える。
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