Japanese
English
研究と報告
環境要因の著明な小児精神分裂病の1例
A Case of Childhood Schizophrenia with Manifest Milieu Factor
奥村 晶子
1
,
佐竹 良夫
2
Akiko Okumura
1
,
Yoshio Satake
2
1北海道大学医学部精神医学教室
2北海道大学医学部小児科教室
1Dept. of Neuropsych., Hokkaido Univ. School of Med.
2Dept. of Pediatrics, Hokkaido Univ. School of Med.
pp.757-760
発行日 1967年10月15日
Published Date 1967/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405201251
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I.はじめに
精神分裂病における精神力動ないし発病にいたるまでの歴史が,精神分析学的,自我心理学的に注目されるようになつてきたのは最近のことであるが,これとともに小児分裂病,自閉症といわれる症例についても同様の観点から解明していこうとする試みが,しだいに多くの学者によりなされるようになつてきている。
小児の精神分裂病ないし自閉症についてはL. Kanner以来多くの報告があるが,今なお問題の多いところであり,ここに報告する症例にも多くの疑問が含まれている。しかし現在の病像にいたるまでの経過をみるとき,環境的要因および母子関係において興味ぶかいものがあると思われるので,その概要を報告し若干の考察を加えたい。
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