特集 心因をめぐる諸問題
第3回日本精神病理・精神療法学会シンポジウム
指定討論および演者回答
指定討論
土居 健郎
1
1聖路加国際病院
pp.419-421
発行日 1967年6月15日
Published Date 1967/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405201208
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各演者の発表について私の理解したところを要約しながら討論を進めていきたいと思います。
下坂氏は,青春期神経性食思不振症についてのすぐれた臨床的な研究をとおして,外的刺激に対する反応としての従来の狭い心因反応の概念がこんにちではもはや通用しないことを指摘し,広義の心因をどのように理解しまた分類すべきかについて,一つの試案を提供しておられます。しかしこのさい心因は単にseelisch bedingtと定義され,ついで具体的に養育因・情動因・環境因・観念因などに小分けされますが,その場合心因の本質がぼやけたままでほうつておかれるように思われます。
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