特集 精神分裂病の“治癒”とは何か
第1回日本精神病理・精神療法学会シンポジウム
指定討論
金子 仁郎
1
1大阪大学神経科
pp.202-204
発行日 1965年3月15日
Published Date 1965/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405200814
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三浦教授はこの論文では,かなり明確な意見を出しておられるように思います。クレペリンよりもむしろタッペルであられるような感じがします。しかも,三浦教授のお話をうかがつてますと,まつたく同意見で,意見をさしはさむ余地がないような感じもするのですが,よく聞いてみますと,われわれ平生経験しているところから,2,3の疑問点があるので質問させていただきます。
最初に諏訪教授がいわれたように,分裂病の概念,あるいは限界がはつきりしないということが基本であります。その点で非定型精神病を,分裂病にいれるかどうかということが問題になるが,三浦教授ははつきり,分裂病とはべつの疾患系にはいるとおつしやつています。私はこの問題はきようのテーマにはいらないのではないかと思いますので,これは略します。したがつて,きようの本題は分裂病の定型群,あるいは中核群というものについて申しあげます。
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