特集 内因性精神病の疾病論
第63回日本精神神経学会総会シンポジウム
指定討論
江熊 要一
1
1群馬大学精神科
pp.33-37
発行日 1967年1月15日
Published Date 1967/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405201137
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島崎教授はまず分裂病者の宿命と運命という点から話を起こされて,こうした2分法的な原因論が,その一方だけではどちらも不十分であることを指摘されました。そしておのおのの考えかたにもとづく治療の理念がどのように実現されるべきかを説かれました。このかぎりにおいては島崎教授のいわれることは正しく,なにも申しあげることはありません。
しかし,研究者のおのおのにその所を得せしめるという教授的配慮や,これも良いしあれも良い,これも悪いしあれも悪いというような評論家的批判は,実際に患者ととりくみ,選択をせまられる場面にぶつかつている私どもとしては,おおいに困惑させられるものでもあります。というのが抄録を拝見したときの率直な感じでありましたが,ただいまのお話をお聞きして,この感じは若干訂正したほうがよいのかもしれません。
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