Japanese
English
研究と報告
神経精神科領域におけるγ-Oryzanol(Oliver)の使用経験
Clinical Application of γ-Oryzanol (Oliver) in Neuropsychiatric Field
桜田 敞
1
,
及川 光平
1
,
秋野 睦
1
,
古市 康昌
1
S. Sakurada
1
,
K. Oikawa
1
,
M. Akino
1
,
Y. Furuichi
1
1弘前大学神経精神医学教室
1Dept. of Neuropsychiat., School of Med., Hirosaki Univ.
pp.1009-1014
発行日 1965年11月15日
Published Date 1965/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405200930
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I.いとぐち
γ-Olizanol(Oliver)は,1953年に土屋らにより米糠油および米胚芽油中から抽出された物質である。本剤は動物実験によると種々の生理的ないし薬理的作用から,臨床的に間脳視床下部と大脳辺縁系に選択的にはたらき,それらの機能失調を調整・賦活化する作用があるという想定にもとづいて2)3),最近各科領域で広く使用され,とくに自律神経失調,内分泌平衡障害にもとづく疾患群に対して,すぐれた効果が認められている。
ところで,最近における向精神薬の開発にはめざましいものがあり,精神神経科領域における治療の主体を占めていることはいうまでもない。しかしながら,とくに身体的・心気的愁訴を中心にもつた患者に対しては,単に向精神薬の投与のみでは満足すべき結果がえられないこともあり,かかる症例の治療にあたつては身体的面からの接近のこころみがかなりの治療効果をあげうることは,臨床上よく経験するところである。
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