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研究と報告
γ-OryzanolのDopamine Agonist様作用について
Similar Action to Dopamine Agonist in γ-Oryzanol
金子 善彦
1
,
木下 潤
2
,
長崎 達朗
3
Yoshihiko Kaneko
1
,
Jun Kinoshita
2
,
Tatsuro Nagasaki
3
1横浜市立大学医学部精神医学教室
2神奈川県立芹香院
3藤沢市民病院神経科
1Dept. of Neurology & Psychiatry, Yokohama City Univ. School of Med.
2Kanagawa Prefectural Mental Hospital Kinkoin
3Dept. of Neurology & Psychiatry, Fujisawa City Hospital
キーワード:
γ-oryzanol
,
Dopamine-agonist
,
Oral dyskinesia
,
Akathisia
,
Antiparkinson drug
Keyword:
γ-oryzanol
,
Dopamine-agonist
,
Oral dyskinesia
,
Akathisia
,
Antiparkinson drug
pp.617-624
発行日 1980年6月15日
Published Date 1980/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405203109
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抄録 γ-oryzanolは,1954年わが国において米糠油より抽出分離されて以来,自律神経調整剤として使用されてきており,著者はこれまでに本剤に抗うつ作用・抗パーキンソン作用のあることを報告してきたが,今回本剤によって,未だ報告されたことのないoral dyskinesia,akathisiaが出現した症例に遭遇したので,本剤投与により無動が改善され精神賦活作用が著明に認められたパーキンソニスムの1例(L-DOPA服用時の幻覚・失見当識・夜間せん妄は消失)をも合わせて症例報告するとともに,L-DOPA投与時との臨床上の類似性について触れた。
本剤によるoral dyskinesia,akathisiaの出現は,本剤が結果的には脳内で,dopamine receptor agonistとして働き,dopamine作動ニューロンの活性を高めることになる可能性を支持するもう一つの臨床的根拠とみなせるであろうと推論した。
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