講座 異常値の出るメカニズム・45 酵素検査(5)
γ-グルタミルトランスペプチダーゼ(γ-GTP)
玄番 昭夫
1
Teruo GEMBA
1
1中央鉄道病院・中央臨床検査室
pp.161-165
発行日 1982年1月10日
Published Date 1982/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402217606
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γ-GTP活性の臓器分布
γ-glutamyl transpeptidase(γ-GTP)の正式な名称はγ-glutamyltransferase(EC 2.3.2.2)である.この酵素はγ-グルタミルペプチドのγ-グルタミル基を他のペプチド,あるいはL-アミノ酸などに転移する反応を触媒するものであるが,臨床検査ではγ-グルタミルペプチドとしてγ-グルタミル-P-ニトロアニリドのような合成基質を用い,このγ-グルタミル基をグルシルグリシンに転移させ,生成したP-ニトロアニリンの黄色を405nmで比色するという簡便法が用いられる.
γ-グルタミル-P-ニトロアニリド+グリシルグリシン
γ-GTP→γ-グルタミルグリシルグリシン+P-ニトロアニリン
この方法で測定した血清γ-GTPの正常値の1例を示すと,図1のように飲酒の習慣のない健康人では10.7〜45.0U/lになるが,大酒者では,10.7〜78.0U/lになる1).一般にこの方法の非大酒者正常値上限は40〜50U/lと考えられている.
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