Japanese
English
研究と報告
自律訓練法による心因性呼吸性チックの治療
Clinical Treatment of Psychogenic and Respiratory Tics with Autogene Training.
山田 治
1,2
,
笠原 俊彦
1,2
O. Yamada
1,2
,
T. Kasahara
1,2
1佐鳴湖病院
2慶応義塾大学医学部神経科学教室
1Sanaruko Hospital and Dept. of Neuro-Psychiat., Keio University. School of Medicine
pp.327-330
発行日 1965年4月15日
Published Date 1965/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405200836
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I.緒言
Charcot,Gilles de la Toullette以来,わが国でも,チックに関する業績は多いが1)3)4)18)その大部分は,いわゆる心因性チックを,器質的疾患に付随するものから区別15)し,その発生機転に考察を加えたものであり,これに対する治療的手段にまで言及しているものは少ない。その理由は,心因性チックが,けい性斜頸,書けいなど,一群の不思議なけいれん性疾患とともに,その積極的治療が,まことに困難なものであるからにほかならない。
もつとも,心因性チックは,放置しても,大部分,自然になおるといわれている。とはいえ,本稿でとりあげる呼吸性チックなどの場合,時にその叫声発作のために通学を拒否したり(第1例),吃逆発作のために栄養障害を起こしたり(第2例),どうしても積極的治療の必要にせまられることもある。われわれはこのような2例に対し,自律訓練法17)20)21)(Autogene Training:J. H. Schultz)を応用し,好結果を得たので報告する。
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