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I.緒言
チックは頻回にくり返すまばたきとか,うなずき運動あるいは首をかしげる,頭を振る,舌鼓をうつというように,頭頸部に多くあらわれて律動的に反復する不随意的な異常運動であるので,我我耳鼻科医もしばしば散見する症状であるが,実際に診療の場ではくせであるとか,悪い習慣であるとかいって比較的ないがしろにされている傾向があるようである。また文献上でもチックは耳鼻咽喉科の方ではほとんど見当たらず,もっぱら精神科,小児科に限られているので,我々耳鼻科医はチックという病気の存在すら忘れかけていることが多いようにさえ思われる。しかしチックは耳鼻咽喉科領域の多い小児の病気でもあるので,我我としてもおろそかにできない問題があり,あらためて認識を高める必要があると考えられる。
チックは一定の筋肉群に突然あらわれ迅速かつ頻繁に反復する無目的な異常運動とされている。
A 11-year-old girl developed explosive, bark-like coughing spells 20 to 120 times per hour duringa day, and the cough sounded like a call of peacock. The symptom was resistant to tranquillizer, but disappeared spontaneously after the patient recognized her own disease.
Otorhinolaryngologist should be familiar with psychogenic cough tic which is probably common but is improperly and poorly treated in many patients.
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