Japanese
English
研究と報告
心因性チックの自律訓練併用精神療法
Psychotherapy with Autogene Training on Psy-chogenic Tics
阿部 正
1
,
石橋 泰子
1
T. Abe
1
,
Y. Ishibashi
1
1慶応義塾大学医学部神経科心身症センター
1Dept. of Newropsychiat., Keio University, School of Medicine.
pp.779-783
発行日 1965年9月15日
Published Date 1965/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405200897
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
I.緒論
心因性チックの精神力動については,Ferenczi1)はリビドーの筋エロティスムスへのおきかえ,Abraham2)は敵意と性的要素が関与するとし,Magaret, Gerard3)は驚愕体験からの本能欲求の抑制と部分満足とし,Mahler4)は素質的運動因子の過度制約と刺激によるとし,Levyは衝動の部分的現われまたは危険防衛の身ぶり,Fenichel5)は前性器期的転換で感情の代理物であるとした。浜中6)は快楽獲得の方途として条件づけられ抑圧された活動の唯一の放出状態であるとした。阿部7)らは14例の心因性チックと12例の心因性顔面けいれんの精神力動を調べ攻撃および運動衝動の刺激および抑圧であるとした。なお奥田ら8),多米9),牧田ら10)の研究報告がある。
本症の治療としては精神療法がもつとも中心であるにかかわらず,精神療法の詳細な報告はわが国ではこんにちまでほとんどなかつた。
Copyright © 1965, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.