Japanese
English
研究と報告
分裂病多発家系における双生児分裂病の症例について
A Study on the Schizophrenics of Identical Twins.
柴田 洋子
1
,
矢吹 賀江
1
,
佐々木 道子
1
,
金子 耕三
1
,
入江 是清
1
Y. Shibata
1
,
Y. Yabuki
1
,
M. Sasaki
1
,
K. Kaneko
1
,
K. Irie
1
1東邦大学精神神経科教室
1Dept. of Neuropsychiat., School of Med., University of Toho
pp.317-321
発行日 1965年4月15日
Published Date 1965/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405200834
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I.まえがき
分裂病における双生児研究はLuxenburger1)3)4)以来多くの報告があり,その一面は遺伝的規定性に関するものであるが,他の一面として発病もしくは病像の差異に着目した環境要因への考察もまた重要である。発病機制に関してこれら二つの面の相互作用が理論的には考えられるのであるが,具体例において両方の作用点を境界づけることはきわめて困難であることはいうまでもない。とくに,一卵性双生児が一致して発病した場合でも,すべてを遺伝に帰することができないことは,すでにKallmann2)が明察したところであるが,私どももこの点について考えさせられる症例に遭遇したので報告したい。さらに,本症例における2人は共生的傾向が強く,folie gémellaireについつも考察する。
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