Japanese
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研究と報告
一精神分裂病者の描画態度とWZTに関する精神病理学的考察
A Psychopathdogical Study on the Drawing-attitude and Warteggzeichentest of a Schizophrenic Patient.
入江 是清
1
K. Irie
1
1東邦大学医学部神経科
1Dept. of Neuropsychiat., Toho Univ. School of Medicine.
pp.23-30
発行日 1966年1月15日
Published Date 1966/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405200949
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1.緒言
精神病者の絵画に関する研究はTardieu(1872),Simon(1876)らによつてはじめられたといわれ1)2),その後,吉益3)4),徳田5),宮本6),Volmat2)らの紹介にあるとおり多くの研究報告がなされている。とくに精神分裂病者に関しては症状経過と絵画制作との関連性を中心に論じられ最近では絵画療法にまで発展しているのは,周知のとおりである。
今回,著者は入院初期4ヵ月間で350枚余の絵画制作を行なつた精神分裂病の症例を経験し,著者自身も若干の絵画制作経験を有するので,その症例の描画態度についてWarteggzeichentest(以下WZTと略)所見を加えて精神病理学的考察を行ない精神分裂病者絵画の個人的特徴,WZT所見の絵画療法への応用などに関し私見を述べさせていただき諸氏の御批判を受け今後の研究資料の一つとしたい。
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