Japanese
English
研究と報告
一卵性双生児の一方にみられた精神分裂病の1例
A Case of Schizophrenia Observed in One of Monozygotic Twins
岡村 仁
1
,
若宮 真也
2
,
山中 敏郎
3
,
更井 啓介
4
Hitoshi Okamura
1
,
Shinya Wakamiya
2
,
Toshio Yamanaka
3
,
Keisuke Sarai
4
1広島大学医学部神経精神医学教室
2国立呉病院精神科
3マツダ病院神経科
4サライ神経科
1Department of Neurology and Psychiatry, Hiroshirna University School of Medicine
2Department of Psychiatry, Kure National Hospital
3Department of Neurology, MAZDA General Hospital
4Sarai Clinic
キーワード:
Schizophrenia
,
Monozygotic twins
,
Discordant for schizophrenia
Keyword:
Schizophrenia
,
Monozygotic twins
,
Discordant for schizophrenia
pp.1215-1220
発行日 1990年11月15日
Published Date 1990/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405902946
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抄録 一卵性双生児の一方に発症した精神分裂病の1例を報告し,その発症に関与したと思われる要因について検討した。
症例は17歳の女子高校生で,精神分裂病の発症をみたのは双生児の妹である。妹と姉の発達史,病前性格,生活史を比較した。その結果,妹のほうが出生時体重が軽かった。心理検査にみる両者の性格の基本構造は極めてよく似ていた。しかし,妹は高校進学後まもなく級友から“いじめ”を受けたのに対し,姉は友人関係などにも問題なく学校生活を送っていた。以上から,妹においては,元来敏感で自我が弱く,不安,恐怖を示しやすいという性格特徴を基盤として,“いじめ”という心理・社会的ストレスが発症に強く関与したと推察された。
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