Japanese
English
研究と報告
分裂病における再発と治療の限界
Rezidiv und therapeutische Grenze bei den Schizophrenen
新福 尚武
1
N. Shinfuku
1
1鳥取大学医学部神経精神科教室
1Psychiatrische und Neurologische Abteilung, Tottori Universität
pp.309-316
発行日 1965年4月15日
Published Date 1965/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405200833
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I.はじめに
この数年,精神病——なかんずく分裂病,躁うつ病——を治療して感ずることが2つある。第1は再発の多いことである。もともとこれらは再発しやすい精神病ではあるが,そのことを考慮してもなおかつ多い感じがする。第2はある程度以上によくならない場合の多いことである。ある程度までは容易によくなるが,それ以上にはなかなかよくならない。したがつて,そこにこんにちの治療の限界があるかのように感じられる。
これらの感じについて,ほんとうにそうなのか——再発率が高くなつているか,それにはどういう因子が関与しているか,はたして治療上の限界があるのか,あればどこにあり,どんな方法で破れる見込みがあるか——などを考察してみたいというのがこの研究の目的である。
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