Japanese
English
研究と報告
一卵性双生児分裂病一致例の2症例—その遺伝と環境
Two Cases of Monozygotic Twins Concordant for Schizophrcnia: Genetics and environment
植木 啓文
1
,
高井 昭裕
1
,
曾根 啓一
1
,
長瀬 志津子
2
Hirofumi Ueki
1
,
Akihiro Takai
1
,
Keiichi Sone
1
,
Sizuko Nagase
2
1岐阜大学医学部神経精神医学教室
2慈恵中央病院
1Department of Neuropsychiatry, Gifu University School of Medicine
2Jikei Central Hospital
キーワード:
Twin study
,
Schizophrenia
,
Life-events study
Keyword:
Twin study
,
Schizophrenia
,
Life-events study
pp.73-80
発行日 1986年1月15日
Published Date 1986/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405204089
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抄録 二組の一卵性双生児分裂病一致例について病前性格,発病状況と年齢,家庭環境,症状と経過および病型を分析検討した。その内の一組では両者とも自閉的傾向の強い病前性格を有していたこと,発病が早期であること,家庭内に彼らを支える余裕がなかったことなどの諸要因(分裂病促進的ないし治療干渉的要因)により,経過も同じBleuler1)のII-5型を示していた。他の一組では,一方より消極的性格で,しかも家庭環境が悪くBleulerのII-5型の経過をとっているのに対し,その対隅者はより積極的で,さらに受容的,支持的家庭の中でBleuleri1)のII-7型の経過をとっていた。つまり,発病には遺伝負因が大きく関与するようであるが,その後の経過の良し悪しは,病前性格および家庭環境の相違に因ることが,双生児法を使って示された。
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