Japanese
English
特集 医療法に基づく精神疾患の地域医療計画策定
精神疾患の医療計画作成のためのNational Databaseの活用の実際
Introduction to National Database for Regional Healthcare Planning of Psychological Disorders
藤森 研司
1
,
松田 晋哉
2
Kenji FUJIMORI
1
,
Shinya MATSUDA
2
1北海道大学病院 地域医療指導医支援センター
2産業医科大学公衆衛生学
1Center for Regional Healthcare Support, Hokkaido University Hospital, Sapporo, Japan
2Department of Public Health, University of Occupational and Environmental Health
キーワード:
National database
,
Data analysis
,
Regional healthcare
,
Psychological disorders
Keyword:
National database
,
Data analysis
,
Regional healthcare
,
Psychological disorders
pp.983-995
発行日 2012年10月15日
Published Date 2012/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405102288
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
はじめに
医療機関から保険者への請求に電子レセプトが普及し,支払基金の2012年7月審査分では件数ベースで病院では99.8%,診療所においても93.4%,調剤薬局では99.9%のレセプトが電子化されている1)。電子レセプトは審査・支払のためのデータであるが,どのような医療行為が行われたのか,どのような薬剤が処方されたのかが詳細に記録されている。
電子レセプトの活用は保険者において保険者機能の強化の点で徐々に進んできたが,2009年度からは厚生労働省が全国すべての電子レセプト,特定健診データを匿名化の後に収集している(National database;NDB)。これは「高齢者の医療の確保に関する法律」にその根拠を置くものであるが,2011年度からは研究者や自治体も制限つきではあるが利用が可能となった。
今回我々は,厚生労働省科研費事業として厚生労働省医政局指導課と共同でNDB利用申出を行い,全国の電子レセプトを活用して2013年度に策定される都道府県の地域医療計画の作成に資する210の各種指標を全国349の二次医療圏別に集計した2)。結果は都道府県単位の集計は全都道府県に同じものを,二次医療圏単位の集計は当該の都道府県のみに配布した。配布した指標には精神科領域のものも含まれ,本稿ではその作業過程を紹介するとともに,電子レセプト,NDBが持つ可能性と制約について述べる。
Copyright © 2012, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.