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特集 整形外科領域におけるリアルワールドデータを用いた研究
NDBオープンデータの活用
How to use the national database for orthopaedic research
大野 久美子
1
,
山田 浩司
2
,
齋藤 琢
3
,
田中 栄
3
Kumiko ONO
1
,
Koji YAMADA
2
,
Taku SAITO
3
1東京大学医科学研究所附属病院,関節外科
2中野島整形外科
3東京大学大学院医学系研究科感覚・運動機能医学講座,整形外科学
キーワード:
National database
,
Osteoporosis
,
Fracture surgery
Keyword:
National database
,
Osteoporosis
,
Fracture surgery
pp.1569-1575
発行日 2021年11月1日
Published Date 2021/11/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000001945
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要旨:レセプト情報・特定健診等情報データベース(NDB)は,全国のレセプト情報を網羅した悉皆性のある巨大データベースである。NDBオープンデータはその中でレセプト情報の「投薬」「手術」「検査」などを都道府県別・性別・年齢(5歳階級)別に年度ごとに単純集計した基礎的な集計表であり,一定のルールに基づき厚生労働省のホームページで一般公開されている。われわれは,第2回NDBオープンデータを用いて,骨折関連手術と骨粗鬆症治療薬における性年齢別に抽出し,10万人あたりの処方頻度と手術頻度を算出した。男女ともに高齢になるほど大腿骨近位部骨折に関する手術件数が増える傾向にあり,さらに男性の手術頻度は女性の1/2程度であったが,骨折抑制効果のある薬剤の男性の処方割合は女性より低く,男性の骨折関連手術頻度と処方頻度の乖離があった。NDBオープンデータは有用な実臨床データであるが,一方で病名との紐づけができないなどの問題点もあり,得られたデータの解釈には注意を要する。
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