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特集 医療法に基づく精神疾患の地域医療計画策定
地域のがん医療の向上を目指すがん対策と医療計画
Cancer Control and Medical Care Plan to Promote Cancer Medical Services of Regions
加藤 雅志
1
Masashi KATO
1
1国立がん研究センターがん対策情報センターがん医療支援研究部
1Center for Cancer Control and Information Services, National Cancer Center, Tokyo, Japan
キーワード:
Cancer control
,
Medical care plan
,
Designated cancer treatment hospital
Keyword:
Cancer control
,
Medical care plan
,
Designated cancer treatment hospital
pp.997-1004
発行日 2012年10月15日
Published Date 2012/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405102289
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はじめに
がんに関する医療計画については,2006年の医療法の第5次改正に始まる。この改正では,医療計画制度の見直しなどを通じた医療機能の分化・連携の推進を図り,地域において切れ目のない医療の提供を実現することで,良質かつ適切な医療を効率的に提供していくことを目指し,4疾病5事業の具体的な医療連携体制を構築していくこととされた。がんについては,4疾病のうちの一つとして位置付けられ,都道府県ごとにがんに関する医療計画が作成されることとなった。
各都道府県が,医療計画を作成するにあたっては,密接に関連を有する施策との連携を図るように努めることとされ,「がん対策推進基本計画」および「都道府県がん対策推進計画」との調和が保たれるようにすることとされた。また,「疾病又は事業ごとの医療体制構築に係る指針」(2007年7月20日付け医政指発第0720001号厚生労働省医政局指導課長通知「疾病又は事業ごとの医療体制について」の別紙)における「がんの医療体制性構築に係る指針」は,がん対策の一環として体制構築が進められているがん診療連携拠点病院制度を踏まえた内容となっており,各都道府県はそれぞれの地域の中核的な医療機関としてがん診療連携拠点病院を位置付け,地域の医療連携体制の整備を進めてきている。
本稿では,がん医療の充実を図るがん対策の方向性を示し,地域のがん医療の連携体制の構築を目指しているがん診療連携拠点病院制度を概説し,地域の医療体制を整備していくための医療計画の作成について述べる。
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