書評
―神庭重信,黒木俊秀 編―現代うつ病の臨床―その多様な病態と自在な対処法
広瀬 徹也
1
1神経研究所・晴和病院
pp.304
発行日 2010年3月15日
Published Date 2010/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405101597
- フリーアクセス
- 文献概要
- 1ページ目
本書は第5回うつ病学会(福岡,2008)の基調講演,シンポジウム,教育講演,ワークショップ,ランチョンセミナーなどの記録を元に書き下ろした論文から成っている。これほど網羅的でありながら一本筋の通った明快な本も珍しい。大盛況であった学会の会長,副会長である神庭重信,黒木俊秀両先生の周到な企画編集の賜物であろう。
副題に「その多様な病態と自在な対処法」とつけられたように,本書の中心は第Ⅱ部の「現代うつ病の諸相―その診断と治療」にあるといってよいだろう。その導入にあたるのが第Ⅰ部の「現代社会におけるうつ病とは何か」であり,締めくくりが第Ⅲ部の「現代うつ病の養生論」という三部構成になっている。
Copyright © 2010, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.