書評
神庭重信 著―思索と想い―精神医学の小径で
松下 正明
1
1東京都健康長寿医療センター
pp.714
発行日 2014年8月15日
Published Date 2014/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405102784
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神庭重信さんの文章を読むのは愉しい。何とも言えないユーモアがある。
神庭さんは,精神科医としての新人の頃に口髭を生やしだしたらしい。それを察知した師の保崎秀夫教授は,回診のたびに「また伸びた」「あっ,また伸びた」といって冷やかし,神庭さんは神庭さんで意固地になって,口髭を目立たせようと,「髭をひっぱったり,ミクロゲンパスタなる養毛剤を塗りたくったり」したという(「フレマンの髭闘争(保崎秀夫教授退職記念)」より)。その真偽はともあれ,神庭さんのユーモアには,自らの行為を愚化しながら,相手への愛情を漲らせるところがある。
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