Japanese
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紹介
福岡市精神保健福祉センターにおける高次脳機能障害者の就業プログラムについて
Support Program for the Employment of Patients with Neurobehavioural Disability in Fukuoka City Mental Health and Welfare Center
溝口 義人
1
,
水戸川 真子
1
,
中野 聡美
1
,
古里 百合子
1
,
野田 景子
2
,
黒田 小夜子
3
,
西浦 研志
1
Yoshito MIZOGUCHI
1
,
Masako MITOGAWA
1
,
Satomi NAKANO
1
,
Yuriko FURUSATO
1
,
Keiko NODA
2
,
Sayoko KURODA
3
,
Kenshi NISHIURA
1
1福岡市精神保健福祉センター
2特定医療法人順和長尾病院
3福岡市障がい者就労支援センター
1Fukuoka City Mental Health and Welfare Center, Fukuoka, Japan
2Nagao Hospital
3Fukuoka City Employment Support Center for Disabled Persons
キーワード:
Neurobehavioural disability
,
Higher brain dysfunction
,
Cognitive rehabilitation
,
Support program for the employment
,
Mental Health and Welfare Center
Keyword:
Neurobehavioural disability
,
Higher brain dysfunction
,
Cognitive rehabilitation
,
Support program for the employment
,
Mental Health and Welfare Center
pp.1119-1127
発行日 2009年11月15日
Published Date 2009/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405101527
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はじめに
高次脳機能障害は,脳外傷,脳血管障害,脳炎や低酸素脳症などの脳損傷が原因で,記憶障害,注意障害,遂行機能障害,判断・問題解決能力の障害,社会的行動障害,情動の障害などの認知機能障害が生じ,日常生活や社会生活に支障を来した状態である3,15)。高次脳機能障害はその症状が多様であり,症状の自覚が困難で,また外見上わかりにくく,本人や家族は周囲から理解を得られずに大きな負担を抱えている場合も少なくない3,10)。
高次脳機能障害者の就労上の問題点として,新しい仕事が覚えられない,指示への理解が悪い,同じ失敗を繰り返す,作業速度が遅い,仕事の優先順位がわからないなどの作業能力の低下,些細なことで感情が不安定になる,相手の気持ちに配慮が足りない言動がみられるなどの対人交流技能の低下があり6,17),就職活動から職場定着に至るまで継続的な支援を必要とする。
福岡市精神保健福祉センター(以下,当センターと略)は,2007年4月から「高次脳機能障がい者の就業プログラム」(以下,プログラムと略)を開催している。プログラムには,医学的リハビリテーションと生活訓練を終了し,就業を希望する高次脳機能障害者が参加している。今回,これまでの活動を振り返り,プログラムの概要と経過,さらに今後の課題について若干の文献的考察を加えて報告する。
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