Japanese
English
短報
低血糖昏睡が1週間持続した後,高次脳機能障害を呈した1症例
A Case with Higher Brain Dysfunction after One-week-hypoglycemic Coma
今中 章弘
1
,
藤川 徳美
1
,
高見 浩
1
,
津久江 亮大郎
1
,
大森 信忠
1
Akihiro IMANAKA
1
,
Tokumi FUJIKAWA
1
,
Hiroshi TAKAMI
1
,
Ryotaro TSUKUE
1
,
Nobutada OMORI
1
1独立行政法人国立病院機構 賀茂精神医療センター
1Kamo Psychiatry Medical Center, Higashihiroshima, Japan
キーワード:
Hypoglycemic coma
,
Higher brain dysfunction
,
MRI
Keyword:
Hypoglycemic coma
,
Higher brain dysfunction
,
MRI
pp.809-812
発行日 2008年8月15日
Published Date 2008/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405101261
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はじめに
我々の血糖値は,通常70mg/dl以上に維持されているが,糖尿病での不適切な治療やインスリノーマでは低血糖状態となることはよく知られている。低血糖を放っておき50mg/dl以下になると明らかに中枢神経の働きが低下し,30mg/dl以下になると意識レベルが低下して昏睡状態から死に至ることもある。重症の低血糖性昏睡後は脳の広汎にわたり神経細胞が萎縮,脱落しており,2~4%が失外套状態,慢性植物状態,または死の転帰をとるという報告もある3)。
今回,我々は低血糖昏睡が1週間持続した後,高次脳機能障害を呈し,臨床症状や画像経過などを追跡した1症例を経験することができたので報告する。なお,プライバシー保護のため,症例記載にあたっては若干の改変を行った。
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