Japanese
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短報
アルコール振戦せん妄にmianserinが有効であった1症例
A Case of Alcohol Withdrawal Delirium Improved by Mianserin
今中 章弘
1
,
辻 誠一
1
,
高見 浩
1
,
藤川 徳美
1
Akihiro IMANAKA
1
,
Seiichi TSUJI
1
,
Hiroshi TAKAMI
1
,
Tokumi FUJIKAWA
1
1独立行政法人国立病院機構 賀茂精神医療センター
1Kamo Psychiatry Medical Center, Hiroshima, Japan
キーワード:
Alcohol
,
Withdrawal delirium
,
Mianserin
Keyword:
Alcohol
,
Withdrawal delirium
,
Mianserin
pp.991-994
発行日 2008年10月15日
Published Date 2008/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405101294
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はじめに
アルコール離脱症候群は,①自律神経症状や不安,焦燥を認める早期離脱症候群にとどまる場合と,②失見当識などの意識障害を中心に幻覚,精神運動興奮を認める後期離脱症候群(振戦せん妄)に移行する場合に分類される。わが国では,アルコール離脱症候群の薬物療法に関する調査研究は行われていないのが実情であり,一般にアルコールと交差耐性のあるベンゾジアゼピン系薬剤や抗精神病薬が投与されることが多い。しかし,アルコール離脱症候群の予防や治療にベンゾジアゼピン系薬剤を用いる場合,焦燥,気分易変性,攻撃性,興奮など本来期待される作用とは反対の反応である奇異反応が出現するケースも報告されている5)。アルコール振戦せん妄に焦点を当てると,薬物療法に関してmianserinが有効であるという報告は,検索した限り,内村らの報告13)のみである。今回,我々はアルコール振戦せん妄にmianserinが有効であった症例を経験したので報告する。
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