発行日 2009年2月1日
Published Date 2009/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2009125160
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症例1は86歳男で、70歳時に糖尿病、85歳時に糖尿病腎症と診断されglimepiride 0.5mg/dayが処方された。食欲不振にもかかわらず同薬剤を継続服用して昏睡状態で当院へ搬送され意識を回復したが再度昏睡状態で搬送された。血糖値27mg/dlは糖質輸液で上昇したが意識レベルは改善せずJCS200で、血清IRI値、CPR値は高値を呈し腎機能障害を認め低血糖昏睡と診断した。低血糖は遷延し、ブドウ糖液の追加と高カロリー輸液開始で第3病日以降の血糖値はコントロールできた。頭部MRI diffusion画像で橋と両側大脳深部白質に高信号を認め、約1ヵ月加療したが意識レベルは改善しなかった。症例2は71歳女で、69歳時に糖尿病で服薬するが高血糖が持続したためglimepirideとacarboseに変更後glimepirideを3mg/dayに増量して血糖コントロールは改善したが昏睡状態で搬送された。血糖値47mg/dlはブドウ糖液で改善したが意識レベルは改善せず入院し、意識レベルJCS300、肝・腎障害、血清CRP値の上昇を認め低血糖昏睡と診断した。MRI diffusion画像で両側大脳皮質、後頭葉を中心に大脳白質に高信号を認め、腎障害と高アンモニア血症は輸液で改善したが意識レベルはJCS200となるもその後の改善は認めなかった。
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