書評
―武田雅俊,加藤敏,神庭重信 著―Advanced Psychiatry脳と心の精神医学
大森 健一
1,2
1獨協医科大学
2滝澤病院
pp.1081
発行日 2007年10月15日
Published Date 2007/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405101090
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現代社会の変化・進展は実にめまぐるしく目を見張る思いである。科学の進歩はこの人間社会にさまざまな利便をもたらし,生活は50年前と比較すると想像もできないほどの豊かなものとなった。しかしこのような状況の下で,いやむしろこのような状況下でこそ人々の生き方は,あるいは人間関係は,さらには心のありようは,複雑・困難なものとなり,混乱と混迷を来している。したがって心を病む人々も増加し,国民の精神医療に対する要請・期待が高まっている。
また一方で,私が精神科医としてその第一歩を踏み出した40年前の頃とは,精神疾患の病態もその背景の社会・文化生活を反映して,その中核は別として,辺縁の拡大と多様化が著しい。このような状況の中で,現代の新しい精神科臨床を解説するまとまった著書を多くの精神科医が期待している。
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