書評
―松下正明,中谷陽二,加藤敏,大野裕,神庭重信編―精神医学文献事典
山内 俊雄
1
1埼玉医科大学神経精神科
pp.1241
発行日 2003年11月15日
Published Date 2003/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405100940
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大変おもしろい発想によって作られた本である。
「序」によれば,「精神医学および関連諸分野に関わる基本的な重要文献を選び,斯界の専門家に執筆をお願いし,それぞれの精神医学の歴史における意義や影響を解説したものである。」しかもそれは,「単に解説のみにとどまらない。歴史的な興味からだけではなく,また精神医学における古典の紹介だけでなく,現代に生き,種々の分野で精神医学と関わっている執筆者たちが,その古典をどのように受けとめ,それを自らの活動にどのように生かそうとしているかの表現でもある。古典と現代との対話を通してこそ,これからの精神医学の発展が期待されるからである。」と述べられている。
このような観点から選ばれた760点以上の主として著書が,331名の執筆者によって解説・記述されている。取り上げられた著書あるいは論文は,精神医学に関係した基礎的なものから,臨床,あるいは行動科学,社会学,哲学ときわめて広範な領域にわたっている。そこに取り上げられているものは必ずしも古典とは限らず,比較的新しいものも掲載されている。
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