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特集 新医師臨床研修制度における精神科研修はどうあるべきか
外国の経験から精神科卒後研修を考える
Considering Post-graduate Psychiatric Training from the U.S. Family Practice Residency Perspective
松下 明
1
Akira MATSUSHITA
1
1奈義ファミリークリニック
1Nagi Family Clinic
キーワード:
Behavioral science
,
Family practice residency training
Keyword:
Behavioral science
,
Family practice residency training
pp.1097-1100
発行日 2003年10月15日
Published Date 2003/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405100912
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はじめに
私は日本ではまだ専門医として認められていない家庭医療学を,1996年から1999年にかけて米国で研修し,米国家庭医療学専門医の資格を取って帰国した。現在,人口7千人の町で「家庭医」として診療を行っているが,患者の心理状態を把握することがいかに大切か毎日実感している。
卒後研修必修化における精神科研修では,将来精神科医にならない研修医が精神科の門を叩く。そこで研修すべき内容は,将来精神科医を目指す医師とは異なるはずである。研修医が身に付けるべき精神医学的素養とは,すべての医師が身に付けるべき素養と思われる。私が受けたアメリカでの研修内容2)は「家庭医」を専門としてやっていく医師のためのもので,日本の研修医の学ぶべき内容と必ずしも一致しない面もあるが,プライマリケアを行うための精神医学という意味では共通点も多い。ここではまず,米国における家庭医療学研修の位置付け,そこで行われた精神医学と行動科学研修の内容を紹介した上で,すべての医師が持つべき精神医学的素養について考察したい。
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