Japanese
English
特集 新医師臨床研修制度における精神科研修はどうあるべきか
「役に立つ」精神医学を教えること
Teaching “Useful” Psychiatry
野田 文隆
1,2
Fumitaka NODA
1,2
1大正大学
2ブリティッシュ・コロンビア大学
1Taisho University
2University of Brithish Colombia
キーワード:
Bio-psycho-social approach
,
Intensive interview
,
Morale
Keyword:
Bio-psycho-social approach
,
Intensive interview
,
Morale
pp.1094-1096
発行日 2003年10月15日
Published Date 2003/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405100911
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
医師になるものが持つべき精神医学的素養とは?
現在の医学の中で精神科臨床が持っている最大の財産は「全身を耳にして聴き,理解する」という態度であろう。もちろん,聴き,理解することはどの科でも重要なことだと教えられるはずである。しかし,プロセスとしては,聴診器があり,画像があり,臨床検査があっての理解だと感じてくるはずである。精神医学の出発点は患者の人間的「患い」の理解である。その「患い」は痛みや苦しみだけに集約されるものではない。医師がその「患い」をすべて取り除ける(または取り除こう)と考えるのは傲慢なことである。まず何かをする前に,その「患い」を深く聴き取り,理解しようとする態度,時にはそれだけでも大きな意味があると考える姿勢こそ医師として重要な素養ではないかと思う。そして,精神科研修ではこの素養の意味が理解されてほしい。
Copyright © 2003, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.