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Bedside Teaching
LVRSをめぐって—長期予後の現状とNETT studyの評価を中心に
LVRS:its long-term result and evaluation on NETT study
白日 高歩
1
,
岩崎 昭憲
1
Takayuki Shirakusa
1
,
Akinori Iwasaki
1
1福岡大学医学部第2外科
1Second Department of Surgery, Fukuoka University School of Medicine
pp.1029-1033
発行日 2002年10月15日
Published Date 2002/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404902548
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はじめに
呼吸リハビリテーションおよび在宅酸素療法を含めて内科的薬物治療が主体であった重症肺気腫の治療に,外科治療(両肺移植)の可能性が導入されたのは1980年代であった.すなわち,移植という極めてdrasticな治療手技が開拓されたことにより,多くの呼吸困難患者が救済されたことは間違いない事実であった.しかし,肺の慢性拒絶反応による死亡率は他の臓器移植に比し大変高く,donor不足の影響も加わったことから,移植とは別種の何らかの治療法の選択が望まれる状況となった.
Saint LuisのCooperらは,気腫肺のvolumeを部分的にreductionする方法に着目し,vol—ume reduction surgery(VRS)の有効1生を提唱した.その後,全世界的に本手術の追試が行われ,殊に米国においてはNETT(National Emphy—sema Treatment Trial)studyとして国家的見地からVRSの成績を再評価する試みが実施された1,2).昨年,その中間報告ではあるが,極端な1秒率低下(予測1秒率20%以下)の患者においては,VRSによる術死率が異常に高値であり,本手術を控えるべきとの勧告が出されている3).
本稿では,VRSの内容について今日までの流れを解説し,特に長期予後の現状とNETTstudyからの評価につき外科サイドからの解説を行った.
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