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人工呼吸管理:NPPVをめぐる最近1年間の話題
1980年代半ばにマスクを用いる非侵襲的陽圧人工呼吸(noninvasive positive pressure ventila—tion:NPPV)が登場して,この十数年間のうちに,慢性期・急性期を問わず,呼吸管理全体の枠組みが大きく変貌した.
急性期のNPPVに関しては,多くのcontrol群をおかない研究といくつかのcontrol群をおいた研究(randomized controlled trial:RCT)により,COPD急性増悪を含む様々な疾患や病態に対して,NPPVの役割はより明確なものとなっている.その結果,American Thoracic Society(ATS)やEuropean Respiratory Society(ERS)などが主催した急性呼吸不全におけるNPPVに関する集中治療医学国際コンセンサス会議の勧告がなされ1),AJRCCM誌上で非侵襲的人工呼吸(NIV)に関するState of the Artが発表され2),ついにはThorax誌上にBritish Thoradc Soci—ety(BTS)の急性呼吸不全におけるNIVに関するガイドラインが発表されるに至った(表1にBTSガイドラインのキーポイントの一部を紹介する)3).また,NHLB/WHOワークショップの総括としてのCOPDの診断・治療・予防の世界戦略(Global Initiative for Chronic ObstructiveLung Disease:GOLD)と題されたガイドラインにおいても,COPD急性増悪時におけるNPPVは,血液ガスの改善,入院死亡率の低下,挿管および侵襲的人工呼吸の回避,入院期間の短縮で有効性が認められた(エビデンスA)4).
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