Japanese
English
Bedside Teaching
硬化性血管腫
Sclerosing Hemangioma
阿部 良行
1
,
塩谷 壽美恵
2
Yoshiyuki Abe
1
,
Sumie Shioya
2
1国立療養所神奈川病院呼吸器科
2東海大学医学部呼吸器内科
1Department of Respiratory Disease, National Kanagawa Hospital
2Department of Respiratory Medicine, Tokai University School of Medicine
pp.603-607
発行日 2002年6月15日
Published Date 2002/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404902487
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概念
硬化性血管腫は1956年にLiebowとHabbellにより,初めて記載された稀な疾患であるが1),その組織起源については各種の議論がなされている肺の腫瘍性病変である.当初,その本態は,血管内皮細胞を主体とする脈管由来の腫瘍(angio—matous neoplasm)であると考えられたが,現在では血管成分を含むが,上皮成分を主体とした腫瘍であると考えられている2).したがって,「硬化性血管腫」という命名は,その本態からすると適当ではない.Pneumocytomaと呼ばれることもあるが3),一般的ではない.また,xanthomaやpost-inflammatory tumorとの関連性も指摘されている4).
本疾患の最近のトピックスは,腫瘍の発生母地として肺胞上皮説が最有力になったこと,女性優位の発生に女性ホルモンが関与する可能性があることなどがあげられる.そして,臨床病理学的には悪性腫瘍,特に肺腺癌と鑑別することが重要である.
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