Japanese
English
綜説
クラミジア感染と動脈硬化
Chlamydia pneumoniae and Atherosclerosis
星野 洋一
1
,
倉林 正彦
1
Yoichi Hoshino
1
,
Masahiko Kurabayashi
1
1群馬大学医学部第二内科
1Second Department of Internal Medicine, Gunma University Faculty of Medicine
pp.595-602
発行日 2002年6月15日
Published Date 2002/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404902486
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はじめに
心筋梗塞,脳梗塞などの動脈硬化性疾患の予防・治療は,高齢化が急速に進行しているわが国では重要な課題である.近年の血管生物学の進歩により,動脈硬化症は「慢性炎症」であるとの考えが定着しつつある.この慢性炎症の原因ないし促進する因子としてC.pneumoniae, H.pyroli,Cytomegalovirus, Herpes virusなどの病原体の関与が注目されている.これらの病原体は血管内に侵入し,直接ないし間接的に動脈硬化病変の形成に関与することが明らかとなりつつある.また,虚血性心疾患をはじめとする動脈硬化性疾患の予防・治療に関しても,こうした病原体をターゲットとした抗菌薬の投与などが検討されている.
本稿では,C.pneumoniaeの動脈硬化への関与についてこれまでの知見を紹介する.
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