増刊号 画像診断パーフェクトガイド―読影のポイントとピットフォール
部位別診断法
Ⅴ.頭頸部
リンパ管腫・血管腫
笹村 佳美
1
1自治医科大学耳鼻咽喉科
pp.288-294
発行日 2014年4月30日
Published Date 2014/4/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411102850
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画像診断の狙い
2013年に血管腫,血管奇形診療ガイドラインが発表され1),ガイドラインによるとリンパ管腫,血管腫はISSVA(International Society of Studying Vascular Anomaly)にもとづき診断,治療を行うことが推奨されている。ISSVAでは,以前はすべて血管腫として扱われていた血管腫,血管奇形がそれぞれ別の疾患と考えられ,リンパ管腫はリンパ管奇形の一種と分類されている。今回は,リンパ管腫においては最も多くみられる囊胞状リンパ管腫,血管腫においては血管奇形ではない腫瘤性疾患について述べる。
リンパ管腫・血管腫は小児にみられることの多い囊胞性疾患であり,頸部が好発部位となる。ほかの囊胞性疾患として,正中頸囊胞,側頸囊胞などの鰓溝由来の囊胞,ガマ腫,頸部膿瘍などが挙げられるが,これらの疾患も小児に多く,リンパ管腫・血管腫と鑑別すべきである。
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