Japanese
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特集 セロトニンと循環器疾患
セロトニンと冠循環・冠スパズム
Actions of Serotonin in Coronary Circulation and Spasm
平川 洋次
1
,
下川 宏明
1
Yoji Hirakawa
1
,
Hiroaki Shimokawa
1
1九州大学大学院医学研究院循環器内科学
1Department of Cardiovascular Medicine, Faculty of Medical Sciences, Kyushu University
pp.557-562
発行日 2002年6月15日
Published Date 2002/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404902480
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はじめに
セロトニンは循環血液中において血小板から放出されるオータコイドの一つであり,種々の臓器に対して多彩な生理活性を有する.なかでも心血管系はセロトニンの重要な標的器官の一つであり,血管平滑筋収縮反応ならびに内皮依存性拡張反応を介した血管トーヌスの調節が主要な役割である.中枢神経系や腎においても局所のセロトニン産生が認められ,これらはそれぞれ神経調節やNa・水代謝を介する間接的な血圧調節に関与している.
セロトニンの生理作用については近年多くの研究成果が報告されており,その反応異常が冠スパズムをはじめとした虚血性心疾患の病態に密接に関与していることが明らかとなってきた.
本稿では,セロトニンの冠循環に対する作用について,特に冠スパズムとの関連において概説する.
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