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Current Opinion
高血圧—臨床研究を中心に
Recent Progress in Clinical Hypertension
橋本 潤一郎
1
,
今井 潤
1
Junichiro Hashimoto
1
,
Yutaka Imai
1
1東北大学大学院医学・薬学研究科臨床薬学
1Department of Clinical Pharmacology and Therapeutics, Tohoku University Graduate School of Medicine and Pharmaceutical Science
pp.95-99
発行日 2002年1月15日
Published Date 2002/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404902414
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高血圧をめぐる最近1年間の話題
1 最近報告された高血圧症の大規模臨床研究の結果
高血圧症の長期予後に対する様々な降圧薬の効果を比較検討した大規模臨床試験の結果が報告された.INSIGHT試験では,高血圧患者6,321人を対象にdihydropyridine(DHP)系カルシウム(Ca)拮抗薬nifedipine GITSと利尿薬(hydroch—lorothiazideとamilorideの合剤)の心血管イベント抑制効果を二重盲検法により比較した1).その結果,両群で降圧度やイベント発生頻度は同等で,nifedipine GITSは心血管疾患合併症に対して利尿薬と同等の予防作用を有することが推測された.
わが国で老年者高血圧者を対象にDHP系Ca拮抗薬であるnicardipine徐放剤またはtrichlor—methiazideを投与したNICS-EH研究でも,5年間のイベント発生率において2群間に差は認められず2),QOLに与える影響も同程度であった3).
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