Japanese
English
Current Opinion
肥大型心筋症—遺伝子背景と臨床的特徴
Genotype-phenotype Correlation in Hypertrophic Cardiomyopathy
阿南 隆一郎
1
,
枇榔 貞利
1
,
鄭 忠和
1
Ryuichiro Anan
1
,
Sadatoshi Biro
1
,
Chuwa Tei
1
1鹿児島大学医学部第一内科
1First Department of Internal Medicine, Faculty of Medicine, Kagoshima University
pp.1107-1112
発行日 2001年11月15日
Published Date 2001/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404902381
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
■肥大型心筋症をめぐる最近1年間の話題
1 新たな病因遺伝子
心筋のサルコメアを構成するβ心筋ミオシン重鎖,心筋ミオシン必須軽鎖,心室型ミオシン調節軽鎖,心筋ミオシン結合蛋白—C,心筋トロポニンT,心筋トロポニンI,α—トロポミオシン,心筋αアクチン,タイチンの9種類の蛋白をコードする遺伝子の異常が肥大型心筋症の病因であることが示されている.WPW症候群を伴う肥大型心筋症の遺伝子座が第7染色体にマップされていたが,病因遺伝子は明らかではなかった1,2).
最近この病型の病因遺伝子が報告された.Blairら3)とGollobら4)が,AMP活性化プロテインキナーゼγ2調節サブユニット遺伝子の変異がWPW症候群を伴う肥大型心筋症の病因であることを相次いで報告した.WPW症候群と肥大型心筋症がみられる家系において,BlairらはHis 142 Arg変異とExon 5のLeu挿入変異とを,GollobらはArg 302 Gln変異を報告した.
Copyright © 2001, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.