巻頭言
腎予備能低下こそ循環器risk factorか
木村 玄次郎
1
1名古屋市立大学医学部第三内科
pp.943
発行日 2001年10月15日
Published Date 2001/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404902355
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高血圧が循環器病に対する最大のrisk factorsの一つであることは既に確立している.最近,高血圧の原因は腎に局在しているとの仮説が有力になりつつあり,究極的には大部分の循環器病は腎臓病から始まるとの考え方が成立する可能性すらある.
尿中へ排泄される微量のアルブミンは,元々糖尿病患者において将来,腎不全に至るrisk pre—dictorとして注目を集めた.最近では,糖尿病に限らず,高血圧患者や一般住民でさえ微量アルブミン尿の出現は,循環器病に対するrisk predic—torとの認識が高まっている.risk factorではなくrisk predictorと表現しているのはアルブミン尿がなぜ循環器病を引き起こすのか,そのメカニズムが不明なためである.
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