Japanese
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綜説
カルシウム拮抗薬と冠攣縮性狭心症―歴史と治療変遷
Calcium Antagonists and Vasospastic Angina:History and therapeutic changes
末田 章三
1
Shozo Sueda
1
1済世会西条病院循環器科
1Department of Cardiology, Saiseikai Saijo Hospital
pp.953-961
発行日 2005年9月1日
Published Date 2005/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100099
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はじめに
Prinzmetalら1)が異型狭心症を報告後,約半世紀が経過した.日本人は欧米人の約2~3倍冠攣縮合併頻度が高く,冠攣縮は虚血性心疾患の病態に深く関与している2~9).さらに,わが国では器質的冠動脈狭窄を認めない冠攣縮性狭心症例が欧米に比して多い10,11).カルシウム拮抗薬は,冠攣縮性狭心症の第一選択治療薬として挙げられ,以前は短時間作用型カルシウム拮抗薬が主流であったが,1990年に入りわが国では,長時間作用型カルシウム拮抗薬が相次いで発売された.長時間作用型カルシウム拮抗薬は,主に高血圧症の治療薬として全国に普及した.冠攣縮性狭心症の治療薬も1990年代には短時間作用型から長時間作用型に移行し,わが国では,欧米諸国と異なり,このカルシウム拮抗薬が非常に普及した.
本稿では,カルシウム拮抗薬と冠攣縮性狭心症の治療に焦点を当てまとめた.
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