Topics Respiration & Circulation
プレコンディショニングの新展開
望月 正武
1
1東京慈恵会医科大学内科学講座第4
pp.1257-1258
発行日 1998年12月15日
Published Date 1998/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404910108
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最近の動向
①2種類のプレコンディショニング
狭義のプレコンディショニング(Ischemic Preconditioning;IP)は短時間の冠動脈結紮を繰り返すことで梗塞巣の縮小が得られる現象をいう(classic preconditioning)1).しかし,広義には虚血に類似した病態や低酸素状態に心筋をさらすことによって起こる再灌流後(再酸素化後)の心機能指標の改善,不整脈出現頻度の減少などもIPの一つの現象と考えられている.このIPの効果は長時間持続せず,1〜3時間がその範囲と考えられていた.しかし最近,この効果が12〜72時間に及んでみられることが報告され,前者のIPに対してdelayed IPまたはsecolnd window of protection(SWOP)といわれている2,3).
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